あなたを映し出しているもの②
前回の投稿で、
私がクライアントを理解するために
最初の訪問で見ているものについて書きましたが
今回はその続編です。
前回お伝えしましたように、
クライアントを理解するには
まずは、
・住所、その土地の持つ背景
・周辺環境、立地条件
・建物構造、築年数、敷地配置、前面道路との高低差
こういったものから、どういうところに住んでいるのかアタリをつけます。
◆クライアントの第一印象
そして、最も重要なのがクライアントの第一印象です。
どんな雰囲気か性格か、言葉遣いか、出身地はどこか、
家族構成や家族のパワーバランスはどうか、
職業・趣味は何か、生活時間帯はどんな感じか、
洋服の趣味はどうか、お金の使い方はどんな感じか、ペットはいるか等々
多面的にクライアントを理解しようと努めます。
例えば、「お父様・お母様」と家族同士で呼ぶ家庭というだけで
結構色々なことが想像できます。
割と早い段階で、どんなクライアントかあたりをつけています。
どうして早い段階であたりがつくかといえば、
クライアントの第一印象だけでなく
建物外観や室内から語られる印象で
実はクライアントのことは結構分かるものなのです。
例えば、建物外観の印象でいえば、
玄関アプローチの飾り方、植栽やガーデニングの凝り方、
車の車種や所有台数、玄関先のお掃除の具合なんかで
クライアントの生活の想像ができます。
また、室内の印象でいえば、
モノの多さ(特に服や本や食材)や片付き具合、
調度品や写真の飾り方やカラースキームなんかで
ズボラ度や海外で生活された経験の有無なんかも分かります。
私にとって、クライアントを理解する一番の情報源は「本棚」です。
私が本好きということもあり、
本棚を見ると、その人の思想や趣味、
興味を持たれていることを想像することができます。
蔵書数だけでもヒントになります。
こちらからしてみれば、クライアントの頭の中を見える化している最強の場所です。
といった具合で、
家にまつわるいろいろなメッセージも含めて クライアントがどういう人なのか、
五感をフル活動して言外のメッセージをくみ取っています。
私の場合は、千件をゆうに超えるお宅訪問経験によって構築された
比較対照できる脳内データベースから直感で仮説を立てている感じです。
住宅関連の仕事に従事している人ならば、
クライアント自身が気付いていないこと、特徴的なこと、
素の自分を見せてない部分等をも
読み解いていると思っていただいて間違いないと思います。
◆素の自分を見せることが大切
ですので、
クライアント側も素の自分を出せるなら出したほうがいいと思います。
そのほうが、自分で気付いていなかったことを
提案してもらえる可能性も高まると思うのです。
背伸びをする必要は全くありません。
例えば、
付け焼刀のお片づけやお掃除をしても、見抜かれていると思って下さい(笑)
片づけやお掃除が苦手なら、それでいいのです。
そのようなクライアントだということを踏まえてもらって
アイデアを提案してもらえればいいだけです。
自分らしい暮らしをしたいと思うのなら、
日常生活の自分をさらけ出すことが大切ですし
さらけ出してもいいと思える方にお願いすることが重要です。
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