時間軸を考える
公開日:
住宅リフォーム
お客様と打合せをしていて、時々
「イメージと全然違う!」といわれることがあります。
その原因のひとつに、
「時間軸の捉え方」
があるのではないかと思っています。
一般的に、
リフォームをしたいなあと考えている方は、
今、目の前にある問題を解決したい!と思われています。
しかし、こちらでは少し長い目で住まいを考えていたりします。
たとえば、
「中学3年生の娘の部屋の壁紙を張り替えたい。リラックマの壁紙がいいです。」
というご希望をいただいたとします。
まずは、ご要望通り、リラックマの壁紙があるかどうか探します。
ところが、残念ながら、リラックマの壁紙はありません。
で、「代わりにディズニーやキティーちゃんはいかがですか?」
という代替案を立てる、というのも方法としてはひとつあるかと思います。
しかし、長い目で見た時に、本当の問題解決になっているかどうか?
時間軸を短期でなくて長期でみることも大切だと思っています。
中学3年生の女の子の部屋。
その女の子は5年後には20歳に、8年後には23歳になります。
親元から大学に通い、社会人になると想定すると、
しばらく同じ部屋を使い続けることになるのです。
(壁紙の貼替ってそんなにしょっちゅうやらないのが普通です。)
だから、中3の女の子に、
「自分がお姉さんになってもステキだなーと思う壁紙ってどんなのかしら?」
という投げかけをして、もう一度、壁紙を選んでもらうと・・・
とてもエレガントな、ヨーロッパテイストの
ボーダー(腰帯)までつけたクロスを選び直してくれました。
同じようなことが、
介護を前提とした部屋の内装工事の打合せでもありました。
地方から、お母様を引き取って住まわせたいので
部屋の中に水廻りもあるような内装工事をしたい、というご希望でした。
高齢者の部屋のレイアウトっていうのは、
将来、ご本人がどのような身体機能になるのか
誰にもわからないままプランすることになるので、
なかなか難しいものがあります。
人によっては、今の健康な生活が長く続く方もいらっしゃるでしょうし、
どうなっても最期まで自宅で生活したい方もいらっしゃいます。
自宅で車椅子生活になるのかどうかも予測不能です。
ここでも、お元気な今の姿をもとにプランするのか、
ベッドが中心の生活を想定するのかによってプランは全く異なります。
もし、プロからの提案が
「何か、全然イメージと違う」と思ったのなら、
時間軸の捉え方による違いからくるものかも知れません。
ですので、全然イメージと違うプランが提案されたとしても、
どうして、そのような提案に至ったのか、
中長期で住まいを考えた時にそのプランに妥当性はあるのか?
といったことも考えてみてはいかがでしょうか。
もしかしたら、自分が見落としていた視点から
提案してもらっているのかも知れませんよ。
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